本当は追いかけたかった。

小さくて細いその腕を掴んで、思い切り抱きしめたかった。



だけど、俺は彼女がいる身。

俺に理緒を引き止める資格なんて・・・ないよな。

実際俺は、瑠奈のことも、好きなんだし。



これでよかったんだよ・・・な?




記憶に残ってるのは理緒の泣き顔と、最後の一言。

ココロに小さく、穴が開いた感じがした――・・・。