駅に着いて明るい中で理緒の表情を見ると、なんだか頬が少し赤かった。

恥ずかしかったのか、照れたのか。


どっちにしても、可愛いなと思ってしまう俺は、この世で一番最低な気がする。


彼女が、いるくせに・・・。




そうして電車に乗って、席に座る。

俺は窓の景色を眺めながら、心の中を整理しようと試みた。

だけど、どうしようもなかったんだ。



“遊び”なのに、愛しいと感じるこの想い。



そんなことを考えていると、突然左肩に感じた重み。

左を見てみると、理緒が俺にもたれかかって寝ていた。



・・・やっぱり俺はこの温もりが好きなんだ。


もう俺の心の中では、“遊び”なんかじゃなくなってる。

だけど彼女の瑠奈も、本当に好きなんだよ。

どちらか一方を選ぶなんて、俺にはもう出来ない。





左で小さく寝息を立てる理緒に、2度目のキスをした。


俺だけの、秘密のキス――・・・。