本当は今すぐ屋上に突っ込んで2人を引き裂きたい気分だった。

だけどそんなことをしても思いが通じてる2人には無意味なことだし。

それに、瑠奈と別れたばっかりなのに、乗りかえの早いヤツ、って思われて嫌われる方がもっと嫌だし。

だから俺は逆方向に歩き出した。



・・・情けないけど、こうする以外俺には何もできなかったんだよ。



いつの間にか頬を伝う涙。

好きという気持ちが溢れて涙を流すなんて、初めてだよ。



・・・いつの間に、こんなに理緒のこと好きになってたのかな。

だけど今更この想いに気づいたって、手遅れだったんだ――・・・。