―ピンポーン・・・―



お昼の時間帯の少し前くらいに、俺の家のチャイムが鳴った。

訪問者はもちろん瑠奈。


「・・・いらっしゃい。」

「おじゃましまーす。」


瑠奈は俺が呼び出した理由をまだ知らないから、楽しそうな笑顔を浮かべてる。

なぁ、アイツにも同じ顔をしてるんだろ?

・・・なんだか俺はまたイライラした気持ちがたまってきた。



「なぁ、昨日見たんだけど・・・」

「何を?」

「・・・隣にいた男、誰だよ?」

「あぁ、ただの男友達だよー。一緒に買い物行ってただけ。」



笑いながら平気で嘘をつく瑠奈に、だんだん怒りがこみ上げてきた。

だけど今怒りを瑠奈にぶつけたって無駄なこと。

俺は何故か冷静に昨日見たことを告げていた。




「・・・ただの男友達に、キスなんてしねぇだろ。」