「愛菜ちゃん……もっと早くに来てあげられなくて、ごめんね……」

『別に…いい…』


湊の背後から現れた秀樹は、湊と同様に謝罪してきた。

謝罪してくる意味がわからない。


「お前が仕組んだのか!?」


久しぶりに会った二人を暫く眺めていると、木野の怒り狂った声が聞こえてきた。

ゆっくりと木野に顔を向けると、こちらを見ていた。


『木野…人を傷つけないで』

「っ……お前、に…何がわかる!?」

『わからないよ』

「ならっ……!」

『言葉にしないとわからないこともある。辛いなら、苦しいなら、暴力じゃなくて言葉で伝えてくれ…ケホッ、ケホッ』

「……」

「愛菜ちゃんっ…あまり喋らないほうが……」


秀樹に喋るのを止められたけど、今言う必要がある。


『木野…まだ間に合うから、やり直して』

「愛菜さん……」