そんなことを考えていると、扉が開いた。


「愛奈、どうした?」

玲だ、私はつい身構えてしまった。その緊張が伝わったのだろう、玲は私の頭に近づけていた手を止め、隣に腰を落とした。

「なんか、言いにくいことだったら無理に言わなくていいからあんまり溜め込むなよ」

素直にそう言ってくれるのは嬉しかった。
でも話してしまったら、また諦めなくなりそうで私は黙っていた。

「今日、倉庫に来るか?」

私は無言で頭を振った。


そうするのが今の私にはせいいっぱいだった。

「わかった、無理わ言わない今日はいいが明日はみんなで行くからな」

私は、早く玲から離れたくて頷いた。

「じゃあ、俺は先に戻るから心の整理が付いたら戻ってこいよ」

私は無言で頷いた。


玲はそんな私の態度に怒ることもなく、屋上から出て行った。