鳴り響く携帯のアラーム



朝7時



「行きたくない…」



昨日の今日だし、あの二人と顔を合わせられない



残念ながら私は雅以外とはあまり口を利いていなかった



休もうか、そう思った瞬間、チャイムがなった



「こんな朝から…」



家には親は朝早くから仕事でいないので、私一人だった



インターホンのスイッチを入れると、回りをキョロキョロしている女姿の瑞希がいた



「瑞希っ…?」



スイッチを切り玄関に走る



「瑞希…」



「おはよ、行くぞ」



「は?」



「ちゃんと服着てからな」



「あ」



瑞希が私の体を見て真顔で言ったので私もみると、



「!!」



前がチャックのパーカーが、半分ほど空いていて、下着とお腹が見えていた



「いくら小さいからって出しちゃ駄…」



「うるさい消えろ!!」



ドアを勢いよく閉めリビングに走る



寝相が悪すぎて、酷いときにはパジャマがドアの前にあることがしばしば。



今日はまだいいほうだったけど…



「ち…小さいからって…」



私そんな風に思われてたのか…



30分ほどたってから、制服を着て外に出た



「なんでまだいんの!?」



「和華と一緒に行くから」



「はぁ…」



思わずため息が出る



「行くぞ」



「え、あ、まって!」



家の鍵を閉めて瑞希と学校に向かう



「今日、極力雅に近付くなよ」



「うん」



「話し掛けられても無視な?」



「うん…」



「なんかあったらすぐに…」



「瑞希キャラ変わってない?」



心配そうに話し掛けてくる瑞希に思わず突っ込む



「…最初は口止めに側にいたけど今は純粋に好きだから」



「あぁそうなんだ…」



恋して人って変わるんだな…



「…え?」



「ん?」



何か違和感を感じ聞き返すと微笑んで聞き返された



「…、?」



「和華好きだよ」



「な、」



可愛いらしい小さい笑顔で言われ、思わずドキッとしてしまった



「キャラ変わってる!!」



「恋して人って変わるんだな…」



「エスパー!?」



「はは、」



恥ずかしい…顔が熱い…



「ねぇ、和華」



「ん?」



「和華は?」



穏やかな、笑っても無表情でもない顔ですごいことを聞いてきた



「な!!」



「な?」



高い背を前倒しにして私を覗きこんでくる瑞希



「知らないっ」



「はは、まぁいいや、とにかく雅には気を付けて」



それから雅の話はしなかった