それは、まだ私たちが中学生の頃の話。

「咲ー?どこー?」

中学生になって初めての夏休み、私と咲は地元の夏祭りに来ていた。

鳴り響く太鼓の音。

屋台からするおいしそうなにおい。

楽しそうに歩く浴衣姿の人。

年に1度の夏祭りは、私にとってとても新鮮だった・・・。


だけど・・・

「どうしよう・・・」

周りに気を取られていた私は、いつの間にか咲とはぐれていた。

あっちかなあ・・・

急に一人になった焦りと不安で、気づけば自分がどこにいるのかすらわからなくなっていた。

大勢の人が行き交う道を、私はただひたすら歩いた。


そして、人混みを抜けたときにはもう私の周りに人はいなかった。

「・・・ここどこ・・・?」

薄暗いその場所は、今にも何かが出てきそうな雰囲気に包まれていた。

咲・・・怖いよ・・・

私は、その場に小さくうずくまった。


するとその時・・・

-ガサッ

すぐそばの木の陰でした物音・・・。

「な、何!?」

私は、怖さで震える手をおさえた。

-ガサッガサッ

だんだん近づいてくるその音・・・。

私はギュッと目をつむり、耳を塞いだ。

嫌・・・