-ミーンッミーンッ

耳を塞ぎたくなるような蝉の鳴き声が、夏の蒸し暑さを感じさせる。



私が高校生になって3ヶ月。

季節は、春から夏に移り変わり、教室の窓から見える桜の木も鮮やかなピンク色から、元気のよさそうな緑色に変わっている。

もう夏か・・・。


「あっつ~い!!」

私の隣で、いきなり大声を上げる咲(さき)。

右手にはうちわがしっかりと握られている。

「美月(みづき)は暑くないの~?」

「・・・暑い・・・」

私は、咲のうちわを奪いながらそう答えた。

「うそ~!?美月、全然暑そうに見えない!!逆に涼しそうに見えるし~」

咲がケラケラ笑う。

なんじゃそりゃ・・・

それでも私は、咲に呆れながらもつい笑ってしまう。

やっぱり咲にはかなわない。

咲とくだらない話をして・・・笑って・・・それが私にとって当たり前の生活。

そんな生活が私は大好き。