華月
このような手紙って、何を書いたら良いかわからないのね。
こんにちは?私はあなたを産みました?
なんかダメね…書きたいことを書くわ。
華月、かづき、和幸と、華月って響きが似てるでしょ?私が考えたの。素敵な名前よ。
華月の、華の字は、私の華那からとったのよ?知っていた?
まあ、この手紙は、あなたが20歳になるまで渡さない約束だから、知らないかしら?
和幸と由美子は元気?元気じゃないなんて許さないわ。こっちに来ても、追い返してやるわ。
華月…あなたは、元気かしら?
私に似て、体の弱い子になっていないかしら?
私はただそれだけが心配だわ。
私は本当は、あなたに会いたかった。
死にたくなかった。
和幸には秘密よ?彼、きっと自分を責めるから。
本当にまとまらないお手紙になってしまって申し訳ないと思ってるところよ。今。
じゃあ、最後にするわね。
なにか、辛いことがあっても、強く生きてちょうだい。
なんでって、私のためよ。
自由に生きてほしい。
やりたいことはなんでもしなさい。
私もそうだった。
勘違いしないでね。
死にたくないけど、あなたを産んで死ねるなら後悔はないわ。
私はあなたを空からみていたいの。
生きているあなたを。
間違っても、私に会いにこようなんて思っちゃだめよ。
退屈なんてしないと思うけど、思いきり楽しませて欲しいの。
だから、強く生きるのよ。
安心しなさい。
もし、どうしても大変なことがあったら
その時は呪うなりなんなり、貴方を助けるわ。
あなたの人生全てを見守ることを約束して…良い人生を。
華那