名無しの恋愛



「キミのクラリネット、調子悪いんじゃない?」


私が右手に持っていたクラリネットを指差して、そう言った。


「え…何でわかるんですか!?」


「楽器屋さんだもん」




そう言って、にこりと笑った笑顔が、私の想像していたサクの笑顔と重なった。