ふぅ、と一つ息を吐いて、テーブルの下から出る。転がっていたキャンディーを拾い上げた。

「ダネル、やったね!」

「ああーー早く外に出よう。また何か出てくると厄介だ」

「うん」

 二人で扉に近づくーーどうやら、扉は開くようだ。

 ノブに手を掛け、扉を開けた。

 ーーパンッ!パンッ!

「っ……」

 外に出た途端、立て続けに大きな音が鳴った。

 ーーハロウィンタウンの住人であるゴーストたちが鳴らした、クラッカーの音だ。

 俺が睨みつけたからか、ゴーストたちはおろおろと後ろに下がっていく。

「だ、ダネル……?わざとじゃ、ないと思うよ……?」

「……分かっている」

 分かってはいるが、中で散々雷の大きな音に神経をすり減らされた挙げ句、外に出てまで、祝いのクラッカーの大きな音に迎えられるのか……。祝われている気がしない。

 気はしないが、祝われているのだ。

 特別なキャンディーを、探し当てたのだから。