ーーゴロゴロゴロッ!!!

「っ……!!」

 耳をふさいでうずくまってしまいたい衝動にかられる……が、ここで怯むわけにはいかない。

 雷雲を見据えて、送風機の風を当て続けるーー

 ふと、手に覚えのある暖かさが触れた。

「大丈夫だよ!雷雲なんて、吹き飛ばしちゃえ!」

 ミカが、俺の手を包んで励ましてくれている。おかげで、いくらか恐ふ……不快感が和らいだ。

 その後も何度も大きな音を立てていたが、とうとう、窓から外に吹き飛んでいった。

「やったぁ!飛んでいったよ!」

「ああ。やったな」

 達成感以上に、安堵感が心を占める。

 ーーやっと音がなくなった……。