「……からかわれている、な」

「うん……かわかわれてる、ね」

 キャンディーは、明らかにテーブルの下から出られず捕まえられない俺たちを小馬鹿にしている。

 ーー生意気なキャンディーだな……。

 とはいえ、無理に捕まえようと近づけば、また走って逃げてしまうのは目に見えている。

 俺たちが頭を悩ませているとーー

 ーーゴロゴロ!

「……あ」
「……あ」

 雷が、キャンディーに落ちた。
 こういうことを、『罰が当たった』と言うのだろう。
 キャンディーは黒く焦げて、床に転がっている。

「……逃げ出す心配はなくなったな」

「でも……あのキャンディー、死んじゃったの?」

「そもそもキャンディーは生きていないぞ」

「え、そうなの?」

 とても納得のいかない顔で、色々こんがらがっているようだが、まとまらないまま飲み込んだようだ。

「それじゃあ、あとは、あの雷雲だね」

「ああ。これではうかつにココから出られない」