未だ鳴り続ける雷の音から、俺の気を反らそうとしているらしい。

「……秘密だ」

 気持ちはありがたいのだが、願いを打ち明けるのは、恥ずかしい。

「あんたは、どんな願いを叶えてほしいんだ?」

「あたし?あたしは……ひみつ」

 少し恥ずかしそうに言うが、頭に願いを思い浮かべたのだろう。俺の頭にも流れ込んでくる。

 ーーミカらしい願い、だな。

「……ともかく、どちらの願いを叶えるにも、キャンディーを捕まえないとな」

「そうだねーーあ!あそこ!」

 ミカが指差す方を見ると、テーブルの下からではギリギリ手の届かない位置で、キャンディーがぴょんぴょん跳ねている。