『麗奈、俺の言う通りに動くんだ!絶対に助けてやるから!!』
「うん…」
アタシは小さく返事をした。
『いいか、そのばあさんはとりつかれているんだ。そのとりついた霊がお前をこっちの世界に引きづり込もうとしてるんだ!』
(おばあさん……。可哀想…)
とりつかれたおばあさんは、ただ満足そうに笑っていた。
『麗奈、まずは大きな声で“さだあき”と叫ぶんだ』
(さだあき?何それ??)
そう思っていると、
『そのばあさんの旦那の名前だ。3年前に亡くなってる……。そのばあさんは旦那のことを心から愛してたからな……、もしかしたら意識が戻るかもしれない!』
アタシは、自分の心の声が聞こえていることにビックリした。

