しばらく歩いていると、前の方に誰かが立っているのがぼんやりと見えた。
「こんな時間帯に…ありえない……!!」
ビクビクしながら進んでいると、しわがれた声が聞こえてきた。
「良かった、人じゃ。いやぁ、すまんのう。道に迷うてしもうて、ここで一晩明かそうと思っとったんじゃ」
それは畑の帰り、という感じのおばあさんだった。
「すみません…、アタシ今、肝試しの最中なんです……。ここがドコだかわかんないし…」
「ほう、そうか…。ならワシもその、肝試しとやらに参加させてもらえんかのう?」
「あ、あのォ……アタシ、人も探しているんです。だから急がなきゃならないし…」
「お前はワシをここにおいて行くというのか!?」
急におばあさんの口調が変わった。
(やば…めちゃめちゃ怖いんですけど……!!)
アタシは後退りした。

