料理が運ばれて来て、すぐに食べ始める咲綺ちゃんを見ながら私はこの状況に浸っていた。
思えば学校と家を往復するばかりの学校生活だった。
制服を着たまま寄り道するどころか、友達とこうして食事した記憶すら思い当たらない。
今まで、なんてつまらない人生を送って来たのかと後悔した。
「食べないの?」
怪訝そうな顔で私の顔を覗き込んだ咲綺ちゃんに首を振って否定した。
「嬉しいな、って思ってたの」
「オムライス?」
「寄り道したこと無かったから、私」
「うっそー」
「ずっとやってみたかったの」
「ふたばってほんと、優等生だね。たまには肩の力抜きなよ?」
「優等生とかじゃないんだよ、全然」
楽しいことを共用してくれる友達が今までいなかったから、私はずっと横目でそれを見ていることしかできなかった。
「これからはいっぱい寄り道しようよ。あたし、いろいろ知ってるからさ」
咲綺ちゃんがいつも中心にいる理由がわかる。
誰にでも平等に優しく、美人で才能もある咲綺ちゃんに惹かれない人がいるわけないんだ。
「いっぱい行こう」
私も頷いて、オムライスを噛み締めた。

