次の日、カズ君も予定が合うということだったので3人で麻生さんのスタジオに顔を出す。
「懐かしいメンツが来たね。どうしたの?」
あまり風貌の変わらない麻生さんは30歳を当に超えているはず。
なのに、年齢にそぐわない若々しさはどこから漲ってくるんだろうと不思議に思う。
「式の2次会でカノン復活っす」
カズ君が親指を立てると、麻生さんは一瞬目を丸め、すぐに笑顔で頷いた。
「そうかそうか。嬉しいなぁ」
「楽しみにしててくださいね」
麻生さんは2次会からの参加者だから、私達の復活ライブを見てくれるお客さんの1人になる。
今になっても私達の復活を喜んでくれる人がいてくれるのは嬉しかった。
「君達も結婚する歳になったんだね。そりゃ、老けるわけだよ」
「そういうのが、おっさんくせぇって」
「もう、おっさんだからね」
麻生さんは30歳を過ぎたし、このスタジオもところどころ汚れや壁紙の剥がれが気になる。
皆それぞれ仕事をして、私の知らない人達が取り巻く環境で、今もどこかで自分の人生を歩んでいる。
高校時代に良くやったやり取りも、同じようで少し違うように感じるのは、もう私達はあの頃の私達じゃないからだ。
そう思うと、未来に進んで行くことが少しだけ物悲しい。
「どうした」
棗君が私の顔を覗き込み、カズ君がその後ろで首を傾げている。
「できれば、あの時と同じようにやりたいな」
「同じように?何と」
私の答えに棗君は眉根を寄せ、激しく拒否をした。
「意味わかんねぇ!何でわざわざ!」
「おー、いいじゃん!やるなら完璧にカノンに戻ろうぜ」
私の突拍子もない提案に棗君は訝しんでいたけど、私が頑固に譲らないでいるのと、カズ君のゴリ押しで最終的には渋々承諾してくれた。

