腹が痛くなる程、笑い尽くした私達は食事を済ませて次の目的地へ。
「棗君のクラスって何やってるの?」
「パンフレットにはホストクラブって書いてるねー」
「ホスト!?」
「棗は裏方じゃないのー?年がら年中、無愛想な男が表だって出てくるはずないと思うし。とりあえず、行ってみるか」
棗君のホスト姿、というよりスーツ姿を見れるかもしれないと期待したけど、咲綺ちゃんの言葉に納得して落胆した。
ホストクラブと言うだけあって、照明は落とされ、ミラーボールや間接照明で教室内を照らしていた。
机と椅子を合わせて作られたいくつかのテーブル席にホスト役のスーツ姿の男子が女子の間に配置され、ジュースやお菓子を食べながら楽しそうにお喋りしている。
「意外とそれっぽくやってるんだねー」
案内役の女子がやってくると、黒板に張り出された顔写真からホストを指名してください、と言われる。
何が基準かわからないが、ナンバー1から順位付けもされている。
「誰でもいいんだけどー・・・」
案の定、その写真の中に棗君はいなくて、指名は咲綺ちゃんに委ねることにした。
「棗いるじゃん!」
咲綺ちゃんの視線は写真から外れ、店内に向けられている。
見回すと、女子に囲まれた棗君が愛想の無い顔で足を組んで座っていた。
「やー、櫻井君は裏方だったんですけどねー。女子に見つかったらあの人がいいって粘られて・・・」
女子に囲まれる棗君は全く楽しそうではないが、女子の方には好意があることがありありと窺える。
この学校の生徒だから、元々の棗君の隠れファンなんだろうな、と棗君の隠れた人気を認識し、焦る気持ちが沸き立つ。
「助けてやるかー。あれ、指名できる?」
「うん、そうしてほしい。いつかキレたりするんじゃないかってみんな冷や冷やしてるの。丹波さん達のとこ行ったら裏方戻ってもらうから」

