「うらめーしーやぁーー」
「きゃーーーーー!!!」
これは楽しい……。
みんなあたしから逃げていく。
あたしたちのクラスのお化け屋敷は意外にも盛況で、貞子も休む暇がない。
あたしは出口へのコーナーで、今野は中間地点で、必死にお客さんを怖がらせている。
今11:30だから、そろそろいっくんとかよちゃんが交代してくれる。
そう思ったとき、カツラを被ったかよちゃんがあたしの肩を叩いた。
「交代!」
「ありがとー。」
短い会話を交わして、教室の外に出た。
「ふーっ……」
後から今野も出てきて、ボサボサになったあたしの頭をさらにボサボサにした。
宣伝のためにこの格好のまま文化祭を回ることになっている。
「じゃあ、どこ行こっか♪」
今野もハイテンションだ……。
「じゃあ…………3年生の劇見に行こー。12:00からのやつ!」
「いーよ」
貞子は前が見えづらい。
スタスタ歩く今野に一生懸命着いていった。