この恋はまるで夢のようで。





もう文化祭も間近に迫っている。






本来、うちの学校は文化祭1週間前から部活より文化祭準備を優先させなければならないのだが、俺は5日前の昨日まで部活をやっていた。


さすがに肩身が狭いので、今日から準備に参加する。





お化け屋敷だから、主に黒と赤で今、教室はすごく気持ち悪い。




「今野、1組の人が呼んでる。」


原田に言われ、ドアの方を見ると、川瀬が笑顔で手を振っていた。



めんどくさいな……。




「ごめんね、司くん。準備中だったのに……。」



「いいよ。別に。」



「結局あれから3週間くらい待ったのに、全然CD貸してくれないんだもん!」




「あ!ごめん。忘れてた……。俺バカだから……。」


我ながらぎこちない笑顔で返事をする。

忘れていたのは事実だけど。




「いーよぉ!明日持ってきてくれるなら!」




「あ、うん!頑張って覚えとく。」




「それに司くんバカじゃないよ。

1学期の期末テスト、10位台だったじゃん!」




「よく知ってんね。」




「当たり前じゃん!でも相澤さん、結構順位下だったよね……。」




「そーなんだよ!あいつ見た目賢そうなのにかなりバカだから。教えんのまじ面白いから!」





「ふーん……。あたしにも今度勉強おしえ」プルルルルル……




ちょうどいいタイミングで電話がかかってきた。




笹崎からだ。

川瀬に謝るポーズをして電話に出た。