この恋はまるで夢のようで。






教室に戻ると、相澤は笹崎のところで弁当の残りを食べていた。




泣く、というより怒っているって感じだ。





なんかこんなことで喧嘩してる自分達が面白くなった。



まぁ、機嫌をさかなでるのも嫌だから、大人しく自分の席に座った。



すかさず樹が近づいてくる。



「何?お前ら喧嘩?」



「まぁ、そんなとこ。」



「なんだよ。ヨユーだな。

でも、喧嘩できるくらい仲良くなったってことだ。良かった良かった。」



「お前は俺たちに何か貢献したのか?」



「フフッ…………聞いて驚くなよ。

相澤に今野がキスをしたがっているだろうと入れ知恵したのは俺だ!」



「キスしたがってるってなんかキモいな。」



「つまり、お前らのファーストキスは俺のおかげってこと!」



それはなかなかの貢献だな……。


「じゃあこれやるよ。」



樹に焼きそばパンを渡すと、キャーと言って飛び跳ねた。




喧嘩といっても俺の方はすっかり冷めてしまった。

相澤はまだ怒ってるみたいだけど……。


嫉妬してんのか。

なんか嬉しいな……。



喧嘩中にもかかわらず、ついニヤニヤしてしまいそうになった。