今野と梨紗ちゃんは7分くらい歌手の話をしていて、今度、今野が梨紗ちゃんにCDを貸す約束をして、梨紗ちゃんは去っていった。
「すげぇな、あいつ。」
「…………あ、ね!
振られたのにめげないで、それに可愛いし。」
「ごめん……。CD貸す約束なんてして。」
「いいよ!と、友達なんだから。」
ああ、ちょっと泣きそうだ。
あたしは嫉妬してるのか……。
「今野は何にもしなくてもモテモテだよね。
あたしとは大違いだよ。」
「お前もフツーにモテると思うけどな。」
「そんなことないよ。現に今野にしかコクられたことないし……。」
「梨紗ちゃん、すごくかわいいよね。
やっぱりかっこいいと好きになる子もかわいいのかな。」
「は?関係ねーだろ?」
今野、ちょっと不機嫌だ。
不機嫌にさせてるのはあたしなのに……。
「ああいう子の方が今野には合ってるかもね。」
「……………………。」
「……じゃあ、あいつと付き合おっかな。」
気づいたときにはあたしは今野をひっぱたいてた。
「バカ!!!!」
お弁当を素早くまとめて、私は屋上から走って出てった。



