「おい、今何時?」
「あっ!…………16:00!」
「全然ショッピングできてねーじゃん……。」
すっかり話し込んでしまった。
まぁ、楽しかったけども。
「帰るか?」
「いや、17:30くらいまでは……。」
「分かった。
場所、移動しよっか。」
「うん。」
朝に増して寒い。
マフラーに顔を埋めてのそのそ歩いていると、そっと相澤が寄ってきた。
手ぇ繋ぎたいのか……?
組んでいた腕を下に下ろすと、サッと相澤が腕を絡めてきた。
正直かなりビックリしたけど、平常を装った。
あったかいし。
近くのデパートに入り、色々な店を見て回る。
しばらく歩いていると、相澤が疲れたと言うので、エスカレーター下のベンチに座った。
「今日はいっぱい話せたね。」
「?
あぁ」
返事をした瞬間に、相澤が俺の肩に頭を乗っけた。
デートを2回経て分かったこと。
相澤は2人きりの時、意外と甘えてくる。
怒るのは照れてるとき。
右肩に頭を乗っける相澤の髪を左手で触る。
こんなところ見られる方が、『ひよちゃん』よりずっと恥ずかしい。
人がいなくなったのを確認して、相澤にキスをした。
「今野は大胆だね。」
「お前だってきょひんなかったろ?」
黙ってもう一度俺の右肩に頭を乗っけた。



