町に出てみると、意外とみんなモコモコしていた。 良かった……。 駅の東口へ向かうと、ベンチに腰かけている黒髪が見えた。 「ひーよちゃん♪」 この間からハマってる呼び方。 この呼び方をすると、相澤は怒る。 案の定、頬を膨らませて、俺を睨み付ける。 「それやめてってば!バカップルだと思われるじゃん!」 「そんなこと気にすんなって。ここでハグしてあげよーか?」 「早くどっか入ろ!」 逃げるように立ち上がって、スタスタと歩き出す。 仕方なく後を着いていき、近くの喫茶店に入った。