司side
「今野!池袋!ショッピング!」
放課後練が終わり、更衣室を出ると、いきなり相澤が叫び始めた。
やっぱこいつ、俺が思ってたよりもずっと馬鹿かもしれない。
「何が?」
「今週の日曜!池袋行こー♪」
なるほど。
遊園地にでも行こうと思ってたのに。
まぁ別にどこでもいいけど。
「いんじゃない?」
「ほんと!?やったーー!!」
今日は特にハイテンションだな。
小学生みたい。
「もう帰る?」
「あぁ」
「じゃあ、帰ろ。」
急に落ち着いた。
長い黒髪を耳にかけて、大人っぽくニコッと笑った。
もともと大人っぽいんだけどな。見た目は。
「ショッピング、楽しみ……。」
「そーだな。」
「一時の休息だね。」
「いや、逆に疲れそう。」
「何よ!ひどいなぁ!」
口を手で押さえて、小さく笑う。
日が短くなってきたな……。
夕日がもう沈みかけている。
冬は苦手だ……。



