日和side
今、なんて…………
すごいくさいこと言った…………
「ほら。」
真っ赤になりながら紙袋を私の膝の上に乗っける。
中を覗くと、そこにはあの熊がいた。
「これっ……」
「本田が取れなかったやつ取ったら俺かっこいいだろ?」
屈託なく私に笑顔を向ける。
いつもの今野だ……。
「見てたの?」
「2000円も使っちゃった」
「……バカ…………」
またしても涙が目に溜まる。
「じゃあ、今野は私のことまだ好きなんだよね。」
優しく微笑んで、私の頭を撫でた。
「……よかった…………よかった……。」
その時、ヒューと言う音と共に空一面に綺麗な花火が広がる。
ベンチに置いていた右手の上にそっと今野が左手を重ねた。
少し熱い手を握って、潤んだ視界から綺麗な花火を見つめ続けた。



