日和side
移動が始まったら私のところに戻ってきてくれると思ったのに、結局そのまま歩き始めてしまった。
これは………………
嫌われた!!?
いやいやいや……。
まだ早いって!
そんなに2人っきりでいたことすらないよ!
大丈夫大丈夫。
あ、さっきの射的……。
「射的やりたいの?」
「え…………」
本田くんがあの射的屋を指差す。
「……いや……でも……。」
「何遠慮してんの!」
アハハっと笑って、射的屋に近づいていく。
ポケットから小銭を出して、お店のおじさんに渡す。
「ハイッ」と言って、鉄砲を私に差し出す。
「イヤイヤ!おごってもらうのはダメだよ!」
「……じゃあ何がほしい?
狙ってみるから。」
「………………あの…………くまのぬいぐるみ……。」
我ながら恥ずかしい……。
スッと鉄砲を構えると、ぬいぐるみに銃口を向ける。
そのぬいぐるみは随分重いらしく、倒れることはなかった。
「……ごめん、取れなかった。」
「いっ、いいよ!あたしが図々しいだけなんだから。ありがとう……。」
ニコッと笑って「行こっか」と歩きだす。
こういう優しいところがもてるんだろーな……。
今、今野は何してるんだ!!



