日和side
「ハァハァ……………」
ドアを開け、顔を上げると、驚いた顔の今野が立っていた。
その姿を見ただけで、もう泣きそうだ……。
「……んの……………今野!!」
「な……なんだよ……………」
今野、今野、今野……………
「……き……………」
「え……」
「好き。好きなの。」
「…………」
今野の顔、見れない。
今どんな顔してる?
本田君を好きだって言ったのに、軽蔑してる?
それでも私は言いたかったんだよ?
下を向く私の顔を隠すように目の前に今野の匂いが広がる。
あの時と、放課後涙を拭ってくれたときの袖と同じ匂い。