「違うでしょ?」 「……………」 「ひよは嘘つくの下手だよね……」 かよちゃんが小さく微笑む。 「自分にまで嘘つく必要ないんじゃない?」 私は、私は………………… 「行きな?」 かよちゃんがポンッと背中を押す。 「さっき1人で屋上行くの見たよ?」 押された勢いでそのまま走り出す。 振り返らない。 次かよちゃんに会うときは、 嘘のない笑顔を向ける。