次の日。
登校時間ギリギリに教室に入る。
「じゃあ、授業始めるぞー」
1時間目は国語。
先生は北山先生。
「みんなの大好きな漢字テストー」
「えええぇぇぇ!」
「はい、静かにやれー」
丁重、憤怒、淑女、戒める……………
妙に頭冴えてるな。
あたし頭悪いのに。
「はい、終わりー!
隣のやつと交換ー」
とたんにざわざわと皆が騒ぎ出す。
カサッ
今野の小テストがあたしの前に差し出される。
黙ってテストを交換した。
丸、丸、ばつ、丸、ばつ……………
今野がまた黙ってテストを差し出してきたので、私もまた黙って手渡す。
9点か……………
あたしにしてはできた方かな。
ふと紙の端を見ると、そこには今野の雑な字で、
『ごめん』
と小さく書かれていた。
一瞬、泣きそうになった。



