あの後、私は一人で家に帰った。
残り数日だった冬休みも家で過ごした。
新学期。
教室に入ると、いつも通りのかよちゃんといっくんがいた。
「おはよー、ひよ!」
「はよー!」
「おはよ。」
今野は自分の席で冬休みの宿題を一生懸命やっていた。
今野の方に一歩ずつ近づく。
顔が熱を帯びているのが分かった。
「……今野。」
「何?」
顔を上げずに返事をする。
いつから私が来てるって気づいてたんだろう……。
「……放課後、屋上に来て。」
周りに聞こえないように言った。
今日は木曜日。部活はOFFだ。
「……分かった。」
やっぱり顔を上げないまま答えた。



