口を開くのに苦労した。
寒いからかな?
うまく言葉が出ない。
今野…………今野…………
昔も、今も、本当は、私は…………
「……『理由なんてない』…………」
今野は私の答えに少し驚いた顔をしたが、そのまま続ける。
「……『あえて……言うなら……?』」
今野…………
どんなに悲しくても、今野を傷つけてでも、あたしはあの夢の中にいたかった。
「…………この人と……生きていきたいと……。」
目から涙がこぼれる。
「…………この人となら死んでもいいと、思ったしまったから……。」
こんな答えは大袈裟だって言うかもしれない。
それでも私は…………
その時、涙を流すあたしを本田くんが抱きしめた。
「…………あいざわ……。」
本田くんは優しく優しく私を抱きしめた。
「……っちょっとちょっと!そういうのは二人きりになってからやってよね!!」
梨紗ちゃんに言われ、本田くんはあたしを離した。
「……ごめん……。」
本田くんが梨紗ちゃんたちに謝った。
違う……。
違うの……。
ごめん……。本田くん。
それでも私は…………
今野が好き。



