日和side
本田康頼(ほんだやすより)
私は彼に恋をした。
朝。
一番右前の席で自分の長い黒髪をてぐししながら廊下を眺める。
通りすぎる人の顔を見ては彼を探す。
「おはよー、ひよ!
ねぇどの人どの人!?」
かよちゃんには昨日の夜メールをしたので本田君のことは既に知っている。
「2日目にして好きな人できるとかなかなかやるなぁ、ひよ。」
「好きな人がなんだって?」
急に割り込んできた声に驚いて扉の方を見ると、そこには今野が立っていた。
「さいっあく。
ガールズトーク盗み聞きしないでよねっ」
「お前らが大声で話してるからだろ。」
「っていうか、昨日の件まだ許してないんだけど!」
結局あのあと、本田君でいっぱいになった頭は今野に文句を言えるほど正常に機能しなかった。
「悪いけど、これから毎日部活参加するから、OFFは木曜日だけだから。」
「えっ!ちょっっ!」
それだけ言うと、今野は男子の塊のなかに入っていった。
やっぱ超自己中!!