司side
「約束、守りに来たよ。」
今は部活後、ここは更衣室前、俺の目の前にいるのは川瀬梨紗。
「……約束……?」
そう言うと、川瀬はフッと笑って言った。
「あの日、言ったでしょ?
相澤さんのこと忘れさせてあげるって。」
そう。
俺はあの時、川瀬の手を取った。
「……どうやって忘れさせてくれんの?」
もうどうなってもいいと内心思っていた。
相澤は俺のことが嫌いだったのか……?
それとも俺よりも好きなやつができたのか……?
一瞬本田の顔が頭に浮かび、慌てて思考を停止する。
「……私と…………付き合って…………」
そうなるよな……。
別に嬉しくもないし、嫌でもない。
俺はサイテーだな……。
でも、本当にその約束を守ってくれるなら……。
俺にはその約束を頼る他ない。
「……分かった」
川瀬は満面の笑顔で飛び跳ねて喜んでいる。
川瀬のことを相澤くらい好きになる日が来るように……。



