この恋はまるで夢のようで。





「……ごめん……。急に泣いたりして。」



「いーよ。」



結局よくわからなかったな。

親友のこともわかってあげられないなんて……。




「あの映画……」




ひよが初めて映画の話した!





「主人公の女の子と死んじゃった彼氏、あたしと今野みたいだったね。」




パチンッッ!!!




気づいたときにはひよの頬をひっぱたいてた。




「ふざけないで!今野くんはまだ死んだりしてない!ひよがどれだけ今野くんのこと好きだったかよく知ってるけど、詳しいこと話してくれないくせにあたしの前で今野くんのこと引きずらないで!!」





一息で言い切り、ひよを見ると、目を大きく見開いてあたしを見ていた。




少し息を整えてから今度はトーンを落として言う。



「ねぇ、ひよ、

ひよのまわりにはひよのこと心配してる人がいっぱいいる。

この世界にひよと今野くんしかいないと思わないでよ。

あたしもいっくんも本田くんもひよのお父さんとお母さんもひよのことすごく心配してるはずだよ。」




「……か…よちゃん……。」




ポタポタ涙を落としながら、ひよが言う。




「……ごめん……。ごめん……。」





ひよの目はもうさっきまでの暗い目ではなかった。



「早く次の人探さないとじゃん!」




ひよは涙をふきながら笑って頷いた。




ふと周りを見ると、みんなが私達を見ていた。




あたしとひよは笑いながら喫茶店を飛び出した。