司side





「離せ!!」




なんだ、こいつ。いきなり……。





「何よー。いきなり振り払うなんてひどいよ。」




俺が今いるのは社会準備室。

いきなり抱きついてきたのは川瀬。




教室で相澤を待っていたら、貸したCDを返したいからと言って、CDを貸したときに無理やり聞かれたラインでここに呼び出された。



「俺人待ってるから。じゃーな。」





社会準備室を出ると、廊下を歩く相澤の姿が見えた。

なんだ、あいつ。

先帰ろーとしてんの!?




「相澤っ」




「待ってろっつったのに先帰るとかひでーな!かばんとってくるからちょっと待ってろ!」



小走りで教室の中に入り、エナメルバックを肩にかけた。



その時、何かが落ちる音が聞こえた。




地面を見ると、四つ折りにされたメモ帳だった。




なんだこれ……。





メモ帳を開くと、そこには予想外の文字が書いてあった。



『別れよう』




な…………んで…………






すぐに教室を飛び出し、もう一度相澤を呼び止めた。