今日も仕事の時間は11:30まで。
北山先生の裏情報によると、今うちのクラスが暫定トップらしい……。
賞品ってなんだろう……。
「あ!貞子だー!」
ボーッと考えていると、お客さんが既にここまで来ていた。
もう少し近づいたら「うらめーしーやぁーー」って言うぞー!
「ヤッホー、貞子ちゃん!」
「何だよ貞子ちゃんって!笑」
他校の男子二人だ……。
「うらめーしーやぁーー」
その人たちに恨めしいポーズで近づく。
「うらめーしーやぁーーだって!
アハハハハハハ!!」
ちょ、ちょっと……。
怖がってよ……。
「っていうか、これ女子がやってんじゃん!」
「え、まじで!?」
入り口で渡した懐中電灯をあたしの顔に向けた。
いきなりの眩しい光に目がくらんだ。
「ねぇねぇ、貞子ちゃんこのあと暇?
案内してくんない?」
これってナンパ!?
「いや、えっと……仕事があるので、すみません……。」
「すみませんだって!貞子に謝られちゃった!!」
「じゃあ、文化祭終わったあとカラオケにでも行かない?友達つれてきていいからさぁ!」
「いや、その……「何してんの?」
通路の方に目を移すと、そこには馬が立っていた。
今野……。
「何してんのっつってんの!」
「いやぁ、この貞子可愛くて、ナンパしてただけだっつーの。なんか悪い?」
今野は馬の頭を取って、男子たちに近づく。
ちょっと……喧嘩とかにならないよね……。
「今野っ、大丈夫だから……。」
暗くても今野が2人を鋭く睨んでいるのは分かった。
「ちぇっ、もういいよ。」
男子二人は疲れたのか、出口から出ていった。