キレイなお腹

振りあがったオヤジの手を握っているのは、見慣れない手。…ゴツい時計してるな…

他人事みたいに、ぼんやりと見ていたのは。

きっと今まで誰も私を助けてくれなかったせい。

「お嬢さんは病気で倒れた直後なんですよ。もっとも…」

グイ、とオヤジの手が曲がる。

「女性に手をあげる時点でマナー違反だと思いますがね」

広瀬、サン、は、ゆっくりとオヤジの手をおろす。

そこへ。

「何をしているんだね。」

白衣を着た恰幅のいい男性が入ってきた。