キレイなお腹

陰りゆく部屋を感じはじめたら、毎日欠かさず来る訪問者がドアをノックする。


「大丈夫か?」

定型文でしか話し掛けて来ない、オヤジ。

大丈夫かと言われても、大丈夫じゃないから入院してるんじゃねえか。

「友だちが見舞い、来てくれた。」

「そうか。」

沈黙。

けど、こんな会話でさえ会話最長記録は更新している。

「洗濯物そこだから。」

「ああ。」

「んじゃ。」

「すまない。」

今更何いってんだか。心の中でついた嘆息は、そのまま、次のヒトコトで怒りに変わった。


「もうすぐ、部署が変わる。そうしたらもっと時間もとれる。それまで辛抱してくれ。」





…………………は??????