ホントの初恋

蓮人はそのまま教室を
出ていった。


「なにボーッとしてんのよ?」

いつの間にか琴乃が
目の前に立っていた。

「別にボーッとなんかしてないよ。」

あたしは1時間目に使う
水泳の道具を取り、急ぎ足で教室を出た。


「待ってー」といいながら琴乃がすぐに
追いかけてくる。


「ねぇ、蓮人が頭を撫でるのって
 日菜だけじゃない?」


急に琴乃がそんなこと言い出すから
一瞬ドキッとしてしまう。


「そんなことないよ。」