ホントの初恋

「俺全然頼りないけど、何かあったら
 何でも聞いて。」

今度は広瀬先輩から話し出す。

「ありがとうございます。」

「まぁ俺なんかに聞くより、誠のほうが
 いいかもだけど。」

先輩はこう言うけれど
素直に嬉しかった。


「広瀬先輩は、優しいんですね。」


自然とそんな言葉が出た。


「俺はそんなんじゃないよ。」

先輩がそう言った瞬間
前にいた先生が振り返った。

「広瀬ーさっさと案内しろ。」