ホントの初恋

「日菜も先輩に自己紹介しなよ。」

「あっ自己紹介ね。立花日菜です。
 よろしくお願いします。」

恥ずかしくて、うつむきながら言った。

「日菜ちゃんね。よろしく。
 じゃぁ二人とも俺に付いて来て。」


私たちが教室を出ようとすると
「広瀬ー」といいながら一瀬先生が
追いかけてきた。



「なんか用ですか、先生。」

一瀬先生が追いつくと、広瀬先輩が言った。

「ちょっと要に用事があってな。」

「それでなんで俺についてくるんですか。」

「お前といたら、会えそうだから。」


先生が真顔で言うと、先輩はすごく
嫌そうな顔をしていた。

「俺、誠とそんな四六時中
 一緒に居るか?」


そんな声が聞こえた。