ホントの初恋

「えーっと、俺ら3年が各部屋別で
 寮案内するからそれぞれ付いて来て。
 俺のとこは、101号室の子―。」


101号室って、あたしたちだ。

「日菜、行くよ。」

琴乃に促されて、席を立ち
先輩の方へ向かった。


「あの、あたしたちが101号室です。」

ちょうど先生と話していた先輩に
琴乃が言った。


先輩がその言葉でこちらを振り向くと
一瞬目が合う。


トクン・・・

目が合った瞬間、そんな心臓の音が
聞こえた気がした。