あれから私達は日々を幸せに過ごしている。
1週間以上経った今日。
今日は私にとってすごいハッピーな1日。
なぜなら今日4月21日は私の誕生日だから。
愛しいあなたに祝ってほしいけど、
実はまだお互いに誕生日を知らないんだよねぇ。
まさか「今日私の誕生日なんだけど・・・」なんて青治に言えるわけないし。
いろいろ考えながら青治と手を繋いで学校へと向かう。
いいんだ別に。「おめでとー」とか「プレゼントだよ」とかがなくても
こうやって青治が当たり前に隣にいてくれる事が私への最高のプレゼントだもん。
それにしても青治ってば・・・。
「今日はいちごの何ですかぁ?」
「ん?いる?いちごヤクルト。最近出たばっかだよ?」
「いちごヤクルト?聞いたことないんだけど・・・でもいただきまーす」
「どーぞー」
〈ごくっ!〉んっ!!
「美味しい!!」
「だろぅー!!明日もこれな?」
「うん!」
私達はいつも歩きながら
いちご・いちご・いちご。
つねにいちごを食べたり、飲んだりしている。
でも今日のはほんとに美味しかったな。
今度買おうっと!
そして教室へと入る私達。
「未那おは・・・ちょっ!何?!どしたの?」
「愛夢ー!!」
おはようって言う前に未那に勢いよく抱きつかれたせいで遮られた。
「何なにどしたの?」
「おっ!未那何してんだよ」
青治もにやにやしながらやってきた。
「実はね・・・」
未那が言いかけた時点で分かってしまった。
「わっ!・・・」
青治と声が重なる。
「初めまして・・・」
未那の隣に来た男子が笑顔でそう言った。
「は・・・初めまして」
またもや青治と声が重なる私。
さっきから私達がカタコトなのは・・・。
その男子がイケメンすぎるから・・・。
背は青治も超高くて中2なのに180cmある。
でもその男子はそれよりももうちょいある感じ。
髪は茶色でふわふわ。
目は切れ長でかっこいい。
まっ。どんなにイケメンでも私は青治一筋だけどね。
「未那・・・まさかの・・・?」
「うん。その、まさか・・・です」
「キャー!!おめでとう」
私の声がクラス中に響き渡る。
「おい!愛夢。ボリューム抑えろって・・・」
そう言って私の頭にチョップしてきた青治。
「ご・・・ごめん」
その光景をイケメンboyは優しく微笑みながら見ていた。
「あの、紹介するね!彼氏の斎藤 海牙(さいとう かいが)です」
未那が丁寧に紹介をしてくれた。
「海牙です。中2で一緒だからタメ口okだよね?」
何か明るそうな人だなぁ。
「もちろん。私は未那の親友の深海 愛夢っていうの。仲良くしてこうね!」
「おぉ!よろしく」
「俺は未那の友達の風橋 青治。よろしくな。仲良くやってこーぜ?」
「あぁ。もちろん。お前とは気が合いそうだ」
あって間もないのにもう仲良くなってる2人。
「ちなみにさ、愛夢と青治って・・・付き合ってんの?」
にやにやしながら聞いてくる海牙。
「あ?そうだよ?これ俺の女」
「ちょっ!・・・」
そう言いながら私の肩に手を組んでくる青治。
「わぉー!おあついねぇ。ヒューヒュー!!」
未那と海牙がからかってくる。
嬉しいけど恥ずかしい・・・。
「そういえばさ、お前らって3人でよくつるんでんの?」
海牙に問いかけられた。
「そうだよ?私と愛夢は1年の時からずっと一緒で仲良くて、
愛夢と青治が付き合いだしてからは私達3人仲いいよ?ね?」
未那が私と青治に問いかけてくる。
「うん!」
「あぁ」
確かに未那の言う通り私達3人はいつも一緒だ。
「いいなぁ・・・楽しそうで。俺も入って4人でつるみてぇ・・・」
「確かにな!お前とつるんで遊びてえわ!!」
「でも海牙クラス違うんだもんね・・・」
未那のさびしそうな声。
「そっか・・・何クラスなの?」
「ん?俺は2ーD」
「なーんだ。隣?じゃぁ休み時間とかお昼一緒にいよーよ」
「おう!」
私の誘いに元気よく返事をしてくれた海牙。
「あっ!愛夢!」
「な・・・何さ?!」
突然大きな声で未那に言われてびっくりしてしまった。
青治と海牙もびっくりしている。
「お誕生日おめでとー!今日で14かぁ・・・私より年上になったのか。
はい!!プレゼント!」
「えっ!マジで?いいの?ありがとう!」
「いえいえー」
やった!嬉しいよ未那。ありがとね。
「ほんとありがとー大好き!」
そう言って抱きつく私。
「ははっ!知ってる」
未那も笑いながらそう言った。
「えっ!今日お前誕生日なの?」
「えっ?うん。実はそう・・・」
「・・・偶然・・・だなんて思いたくねぇ・・・よな」
「えっ?」
青治がクスッっと笑ってそう言う。
意味が分かんないよ。
「どういう事?」
「・・・やっぱ俺らって結ばれてる。偶然じゃなくて必然って思いたいよ。俺は・・・」
「だーかーらー・・・どういう意味?」
もう1度青治のそばまで行って尋ねる。
「きゃっ!何?」
いきなり青治に腕を引き寄せられた。
「俺も今日・・・誕生日」
耳にこっそり告げた青治は優しく微笑んでいた。