いちご系男子~fruitな恋♥~

そうこうしているうちに学校へとついて、今はお昼。
みんなお弁当を食べています。
私はいつも通り未那と机をくっつけてガールズトークをしながら食べていた。
普段ならノリよく話す私だけど最近は未那の話をよそに、
青治を目が追いかけちゃってて・・・。
何でだろう。何か変な気持ち。
言葉では言えない変なものが・・・。
「まーた私の話シカトで青治ですか?」
げっ!・・・
「ごめん。未那・・・何?」
焦って青治を見ていた目を未那へと向ける。
「ねぇ、愛夢。もう気づいてるんでしょ?」
「えっ?!何が?」
未那がニヤニヤしながら私に言ってきた。
「愛夢は青治が好きなんだよ!!」
「・・・ブハッ・・・!!」
飲んでいた飲み物を吹き出しちゃった。
ちなみにいちご牛乳です・・・。
「何よもぅ・・・汚いなぁ。ほら拭いて?」
「誰のせいだと・・・ありがと・・・」
しぶしぶティッシュを受け取る私。
「ははっ!ダッセェ。何やってんだよバーカ!」
きゅんっ!
侮辱されてんのに何きゅんっってしてんだ私!
これじゃぁイラついてもちゃんと怒れないじゃん。
「何・・・さ・・・別に・・・あんた・・・には・・・かんけ・・・いな・・・いし・・・」
あぁもう緊張してカタコトになってるし・・・。
はずっ・・・。
ほらもぅ、未那にやついてるし。
「おっ!いちごじゃん。俺と一緒!」
そう言って自分のいちご牛乳を笑って見せてくる青治。
その笑顔は反則だよね・・・。
「これは偶然です!」
強がってる私。
「はぁ?何言ってんの?愛夢は青治としゃべるようになってからずっと
昼はいちご牛・・・んっ・・・んっ・・・」
「余計な事言ってないで拭くのを手伝いなさい!」
勢いよく未那の口を塞いだ私。
何でこうペラペラと・・・。しかも本人の前で。
もう何言ったのかバレたでしょーよ・・・。
はぁ・・・まいったな。どうしよ・・・。
何て顔で青治と話せばいいのさぁ・・・。はずかしっ。
こうなったのも全部未那のせいだ。
私は床にこぼれたいちご牛乳を拭きながら未那に目線で訴える。
すると未那は顔の前で手を合わせて
「ごめん!!」
と必死で口パクをしていた。
「つい・・・」って感じ。まぁしょうがないか。
問題は・・・
「あのー・・・」
恐る恐る顔を上げて青治を見た。
「あのさっきの話は・・・」
「・・・ふーん」
「は?」
青治はにやっとしながら
「ふーん」とだけ言って友達の方へと戻っていった。
「えっ!ちょっ。ふーんって何さ!!」
「ダメ!秘密。放課後教えてやるよ」
口元で《シーッ》って合図をした青治。
かっこいいな・・・。
「さっ・・・ごはんを食べよ・・・」
何事も無かったかのようにまた食べ始める未那。
誰のせいでこうなったと・・・。
私も席についてまた食べ始めた。
「ねぇ、放課後だってぇ。楽しみだねぇ」
未那が言う。
「ねぇ未那。恋って・・・何?」
「は?どしたのいきなり・・・」
「いいから!・・・教えて?」
私は今まで恋愛をした事がない。
告白はされてるけどすべて断った。
何かタイプじゃなかったし・・・。
「そうだなぁ・・・。私的にはfruit=恋だと思うんだよねぇ」
「はぁ?フルーツイコールこい?意味分からん!」
未那の言ってる意味が分かんなかった。
「なぁんていうかfruit=恋の味?っていうのかなぁ。
甘酸っぱくてcolorfulな色でさ・・・。恋とfruitって似てるなぁって思う」      「・・・ほぉ」
確かにそう・・・かも。
fruitはcolorful。
私も青治と出会ってから人生がcolorfulになった。
きゅんってした。そんでたまに青治がする思わせぶりな行動にちょっぴり切なさを感じて。
甘いようで酸っぱい気持ち・・・。
「どう?いい説明になったかな?」
「うん。確かにそうかも!納得納得」
「よかった!放課後楽しみだね!多分2人きりだと思うから、頑張れよ?」
「うん!」