次の日になった。
いつも通りに支度して家を出た私。
近所の桜の花びらが散っている。
風がすごく心地よい。
歩いていると後ろから声をかけられた。
「おはよ。愛夢」
「青治・・・」
「家、近いの?」
「うん。歩いて学校まで10分かかんない」
「そっか。俺も歩きだけど20分くらいかな」
「そうなんだ。じゃぁうちらの家近いのかもね」
「かもなー。今度俺んちにでも来てみる?」
「えっ!・・・」
青治の家に・・・か。
何か緊張。でも・・・
「うん。行く!」
「うし!決まり!そのあとは愛夢の家に俺が行くからな?」
にやっと笑う青治。かっこいい・・・。
眩しいですよ。朝っぱらから。
やっぱあなたはクール系?
青治をなんとなく見たら・・・
何・・・やってんだ?カバンあさって・・・。
「何?どしたの?探し物?」
「ん?いやぁあったから大丈夫」
ピースしてる青治・・・可愛い!
きゅんってなる。
その見つかったものって・・・ん?
「いちご牛乳?」
またもやいちご!
「んー?一口いる?俺もう口つけたけど・・・」
「えっ!いや・・・そんなんじゃっ・・・」
全力で拒否る私。
だって照れるじゃん!
「何意識しちゃってんの?」
またそんなイジワルを・・・。
このドS!!
「・・・してないもん。いただきまーす」
青治が牛乳パックを持ったままで、私がストローで一口飲んだ。
「美味しい?」
にこって無邪気な笑顔な青治。
さっきのドS感のカケラもない。
調子狂うよ・・・。
「おい・・・しい」
「ん。よかった!」
甘い・・・。
「ねぇ青治。ずっと聞きたかったんだけどさ・・・」
「何?」
「何でいつもいちごなの?青治ってさ、クール系な人?
それとも爽やかな人なのかな・・・それとも可愛い人?自分ではどれだと思う?」
一気に質問しすぎちゃった・・・。
「う~ん。いちごはね。俺の一番の大好物なんだ。
常にカバンの中身はいちごの物だらけなの。・・・ほら」
「えっ!これ全部?めっちゃいっぱいじゃん!」
びっくりしちゃった。だってカバンの半分以上がいちご飴・いちごガム・いちごグミ・いちご牛乳などでいっぱいなんだもん。
「そんな好きなんだ」
「うん。俺さ、クールでも爽やかでも可愛いでもないんだぜ?」
「じゃぁ何?・・・」
「いちご系男子!!」
桜の花びらが舞ってる中、彼はVサインをして笑顔でそう言った。