・・・さて。

まさきにあったから目が覚めてしまった。
まだ7時・・30分か。早いなぁ。

とりあえず体温計で体温を測る。
金属部分の嫌な冷たさが肌をかすめた。

・・・嫌だな、これ。
まるで私の体温が冷たいよって
いわれてるみたい。

私はずっと体が弱いからいつのまにか
起きたら体温を測るのがクセになっていた。

悲しいクセ。
・・・情けないなぁ・・。

――ピピッ
体温計がなった。36,5度・・・。

体温計がそう告げていた。

・・・ヤバ。微熱あるなぁ。

私は体温が低くて平熱で
35,5度ぐらいだ。だから
私のなかでは36度いくとヤバい方。

「・・お母さぁーん。」

・・うちのお母さんは心配性だから
いちおう、熱がちょっとでもあったら
言う事になっている。
心配させるだけなんだけどね。

「うんー?ななみ、どうしたの?」

お母さんが仕事用の服を着て
パタパタと、2階の私の部屋にあがってきた。

「えっと、ちょっと熱あった。」

「え?!そっか、じゃあ
 お母さん仕事休んで―――・・」

「いいって!微熱だし。
 こんな事で休んでたら
 毎日休むことになっちゃうよ?」

私の言葉にお母さんは悲しそうに笑った。
・・そんな顔、させるつもりじゃなかったのに。

「・・そっか。じゃあ
 行って来るからね。朝ご飯とお昼ご飯、
 ちゃんとたべるんだよ?
 下にテキトーにご飯、作っておくから。」

「うん。分かった。」

「あと、学校には休みの電話、いれておくからね。」

「うん。・・ありがとう。行ってらっしゃい!」

私はとびきりの笑顔でわらった。

「うん。行ってきます!・・・あ、
 あと薬はキッチンの戸棚の上から
 2番目だからね。食後に飲むんだよ」

「わーかったって!もぉ~」

私のちょっとすねたカオに
お母さんは優しく笑って、そっと私の部屋を出た。