ー・・チュンチュン

・・・朝―・・?
いつものベットの上で目を覚ます。

なにも変わらない風景。私の部屋。
横にある体温計や薬が朝日を浴びて
光をはんしゃさせている。

う~ん・・。
ちょっと寝足りないかも。
なんかダルい・・

――コンコンッ

窓から乾いた音がした。
私は反射的に窓を開けた。

――ガララッ

「まさき!!」

まさきがチャリにまたいだまま
2階からのぞいている私を見上げる。

「お~っはよ!!
 今日は学校これるか~?!」

いつも朝はまさきが来てくれる。
私はあまり学校に行けないけど
2週間に1回ぐらいなら大丈夫。

その1回のためにまさきは
毎日来てくれる。

放課後だって、そう。
毎日私の部屋に来て
いろんな話をしてくれる。

私は笑顔も、きらきらした気持ちも
全部まさきからもらったんだ。

その全部、私の宝物。大好き。

けど・・・、

「・・う~ん。ごめん。
 今日はダメっぽい・・。」

こんな貧弱な私に想われても
迷惑にきまってる。
現にまさき、めっちゃ彼女作るし。

私はただの幼馴染だ。
多分、それは変わらない。
いままでも、これからも。ずっと。

「うぅ~そっかぁ!!
 じゃぁまた夕方なっ!」

けど、いいんだ。
まさきの幸せに触れることが
できるから。

それが、生きがいだよ。

「・・うん!!じゃあね!」

そういって私は変わらない
まさきの背中を見送った。